洗濯槽用のハイターを使ったところ、巷でピロピロワカメと呼ばれる黒カビが洗濯槽に大量に流出し困っている中、とりあえずそれはさておきインキュベーションオフィスにてシールテープを製造している会社(Peak Sealing Technologies 以下「PST」)のケースを使ったディスカッションを行ってきました。
(ピロピロワカメの除去には酸素系漂白剤が良い様です)

今回は、コモディティ化が進んだ(であろう)商品の扱いに関する議論でしたが、どの業界でも起こりうることであり、コモディティ・ヘルから抜け出すことが出来ずジレンマに陥り、またそういった実体験を持った方も多いことから、議論もなかなか活発化されず「さて、どうしたものか・・・」といった空気になり、ぼく自身も未整理なままで終始してしまいましたので、今一度考えてみたいと思います。

まずは、今回のケースの概要から

PSTの価値
・高品質
・高価格
・高マージン(+高シェア)

現状
・ある地域において、競合他社が安価な商品を市場に投入している。すでにシェアを奪われている地域もあり、とっても脅威となっている
・PSTではもともと品質に応じて、様々な価格帯の商品を販売しているが、売上規模の大きい(市場規模の大きい)商品が特に狙われており、売上が下がっている
・新たに安価な商品を投入したことで、既にカニバリーゼーションが起きている

今後
・何か策を考えなさい、講じなさいと命令が下っている。それも短期的な改善を求められるとかプレッシャーがひどいです
・経営陣からは、競合他社に対抗するべく、安価な商品を投入すべきとの声
・それに対してCEOは、安直に安価な商品を投入することには批判的な様


困りましたね。どうしたらいいのでしょうか?
何ができるか整理すると、今回のケースの場合以下でしょうか?


①顧客に価値を別の見出してもらう
これまでと違う切り口で顧客に新たな価値を見出してもらう。別の市場を目指すとかでしょうか。
ここの商品はすごい粘着力あるみたいなので、例えば工事現場とか。これまでは溶接やビスを揉んでたとこをシールで代用できたら、音も出ないのでどの時間帯でも工事できるので、人件費も深夜料金がかからず安価になるよ、っていうニーズとか。
でも、こんなの短期での話ではないので、今回は無理ですね。

②購入までのプロセスに価値を見出してもらう
商品やサービスそのものの価値ではなく、注文して手元に届くまでのスピードが異常に早いとか、
リーン消費対応というやつですね。注文を請けてから納品するまでのリードタイムがどれくらいあるのか分かりませんが、そもそもコモディティ化が進んだ商品ならば営業担当者がわざわざ訪問する必要もない様に思えるので、注文を簡略化してしまうとかとか。

③利益モデルを強化する
利益率の高い商品の売上を維持する為に、安価な製品を市場に投入して障壁を築いておく。
ケースを読む限りこれまでもやっていることの様ですが(既にカニバリーゼーションも起きています)、今回は更に安価な製品を競合他社に先行して投入されてしまっている状態なので、もう思い切って更に安価な製品を投入。
その商品では充分な利益を得ることは難しくとも、競合他社を駆逐するために行う。


何れにしろ、どんな商品でもコモディティ化はほぼ避けられないと思うので、自社製品に置き換えて常に考えておいた方がいいでしょうね。