スマレジ・シミズBlog

モバイルPOSシステム「スマレジ」飲食向けOES「Waiter」のTIPS/裏技情報を営業チーム持ち回りで書いていました。
しかし、いまはとなっては大阪本社で働いているスマレジ・シミズが勝手に書いている非公式サイトです。

タグ:タブレットPOS

ニッチ産業って何なのか?
隙間産業なんて言われたりもしますが、語源を辿るとニッチとはドイツ語で隅っこの意味。転じて、あってもなくてもいいもの、です。
「必要性があるから産業として存在してるのでは?なんて論もありますが、とは言っても元々商品の供給や提供がなかった市場とかに潜在的な需要を掘り起こしてるんですから、取り急ぎ「あってもなくてもいいもの」ってことでいいでしょう。

特徴としては、やっぱり隙間なので大量生産ではなく、中小企業に向いていますが、差別化が難しく、競争が激しい産業とも言えますね。

Kotlerのマーケット・ポジション別の競争戦略類型で言うとニッチャーってことになって以下の定義になるようです。

業界の中で、どの企業も容易に模倣することのできない特異性をベースにした経営を行なっている企業。特異な企業ドメインを設定している。通常は、中小企業であるが、大企業にまで成長する場合もある。その場合には、ニッチ市場が定番市場にまで拡大することになる。大手企業の参入にどのようにして対抗するかが、その際のキーになる。過去多くの企業がこの点で失敗している。

マーケット・ポジション別の競争戦略類型
マーケット・ポジション別の競争戦略類型

周りを見渡すと特にITのサービスでは参入障壁も低く、開発スピードも速いことからプロダクトライフサイクルが極端に短くなって、定番市場というか成熟市場になるスピードがすごく早くなっているように見受けられます。
これまでだと市場規模が大きくなってきて、新しいプレイヤーの参入が始まり更に市場が大きくなった上で成熟していってたのが、最近だと市場規模が大きくなる前に新しいプレイヤーの参入が始まり、あっという間に製品がコモディティ化していっています。

商品がコモディティ化するとこれまでみたいな機能での差別化ができなくなり、知らぬ間に戦い方が変わるので困ったものですね。

そういった従来と異なる動き考えると、これまでよく使われていたKotlerのマーケット・ポジション別の競争戦略類型よりもMiles and Snow’s Business Strategy Typologyの方がしっくりきそうです。

Miles and Snow’s Business Strategy Typology
Miles and Snow’s Business Strategy Typology

上記を見るとプロスペクターがKotlerのマーケット・ポジション別の競争戦略類型におけるリーダーニッチャーを兼ね備えているように思えます。インターネットの普及で小規模な会社がイノベーションを起こすことも多かったりしましたが、極端なスピードアップで新たな規模の経済性の時代がきているのかもしれませんね。
あ、いや範囲の経済性でしょうか。両方ですね。


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いろいろいきさつありまして、クラウド会計システムのfreeeのブランド構築について考えました。

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情報が少ないですよね。
日本のBtoB領域におけるマーケティングとかブランドを研究されてる余田拓郎教授(慶応義塾大学大学院経営管理研究科)もその著書の中で下記の通り述べられています。


企業経営においてブランドの重要性が指摘されるようになって久しいが、積極的に展開する企業は消費財関連の企業であり、BtoB領域では、ブランドやそのコミュニケーションに関心を持つ企業は少数派である。(『Btob事業のための成分ブランディング』、中央経済社)


P・F・ドラッカーは、The Practice of manaement(『新訳 現代の経営』上田惇生訳,ダイヤモンド社)の中で、企業の成長に欠かせないのは「イノベーション」と「マーケティング」だと指摘した。すでに50年以上も前の著作になるが、日本のBtoB企業についていえば、ほとんどが「イノベーション」に注力するものの、「マーケティング」は蚊帳の外に置かれている。(『BtoBマーケティング』、東洋経済新報社)


これまで法人間(BtoB)の取引では、属人的な営業力に頼る傾向が強く、組織的なマーケティングが浸透してこなかった。ところが、既存の得意先との人的つながりに安住していては、市場全体のニーズの変化に取り残されてしまう状況が生まれている。また、顧客企業も市場の変化に合わせて、購買対象商品の品質や価格をより精密に吟味するようになり、購買意思決定のプロセスもより複雑になってきている。(『実践 BtoBマーケティング』、東洋経済新報社)


それぞれ3冊の全て序文からの抜粋ですが、いずれにしても日本のBtoB企業でマーケティングが浸透していないという危機感がひしひしと感じられます。ひしひし。


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先日、故郷(広島の呉です)から程近い江田島にスマレジの導入で行ってきました。

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江田島といえば、 かつて海軍兵学校があり(現在は海上自衛隊幹部候補生学校)、高校の野外学習のカッター訓練がスパルタだったりと恐ろしげなイメージを持つ島でしたが、ややや!そんなイメージは過去のものとなっています。
現在は、 市をあげてオリーブの生産に勤め、新たな雇用と観光客を呼び込むとっても美しくてピースフルな島でした。
ちょうど今時分は、オリーブが花をつけ見頃のようですので、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね。

 広島産オリーブ「安芸の島の実」とオリーブオイルの購入やレストラン、ショップを展開する江田島オリーブファクトリーのウェブサイトはこちらです。


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いろいろいきさつありまして京セラの稲盛氏の『稲盛和夫の実学』を読みました。

稲盛和夫の実学―経営と会計
稲盛 和夫
日本経済新聞社
2000-11-07



本書を読み最も強く記憶に残った箇所は、京セラの「時間当たり採算制度」の以下記述についてです。    

社内における各アメーバ間でのモノやサービスの取引はあくまで、社外に対するものと同等の取引として扱われ、その取引価格は双方が交渉のうえで納得した「マーケットプライス」でなければならないことになっている。すなわち売る側と買う側のアメーバの間で市場取引と同様の価格交渉が行われ、購入先についても原則として選択の自由を持っているのである。

更に、アメーバ経営を行う際も決してアメーバ同士をはげしく競争させ合うことではなく、アメーバ同士がともに助け合い、またアメーバ間の取引が市場ルールでなされることにより、社内の取引に対しても「生きた市場」の緊張感やダイナミズムを持ち込むことが目的であるとの記述もあります。

上記を読んで、日本の多くの大企業で行われている儲かっていないセクションが存在する際に発生する“社内的な力学”が想像されますよね。例えば、ある製品を作る際に様々な技術を寄せ集める必要があって、その際に、社外の最先端の技術を取り入れるのではなく、「社内調達のお達し」により社内の資源を活用することが求められ、不採算事業から社内調達を行うとかそういうのです。

その為に儲かっているコア事業までも弱めてしまうという事態ですね。京セラのように社内取引においても市場ルールの緊張感を持ち込まなかったことで、日本企業の弱体化の一旦が見えてきます。

 

また、社内に「時間当たり採算制度」とそれに伴う市場ルールを持ち込むことで採算事業、不採算事業を顕在化させることが容易になるようです。2010年から取り組まれているJALの再建においてもコストを可視化するために社内取引単価を決めている。「パイロット費用」「キャビンアテンダント費用」「空港費用」などの単価を細かく決め、これを基に1便ごとに収支をはじき出せるようにした上で、1便単位で翌日には収支がわかるようにしています。

ということは、JALにおいても稲盛氏が会長職に就任する前は、社内取引単価は定めておらず、その為コストの可視化が行われていなかったことが、取り組まれた内容からわかります。JALはこの様にアメーバ経営とそれに伴う「時間当たり採算制度」を導入したことで、臨時便の運航や減航、機材の小型化や要因配置の変更、また不採算路線からの撤退を行ったことにより再建を果たすことができたと言えます。

 

ちなみに2010年京セラが東芝より買収した東芝ケミカル(その後、京セラケミカル。現在は、本社に吸収)は、営業品目や設備、従業員を大幅に変更することもなく、黒字転換しています。京セラのグループ会社ですので、もちろん本社やその他グループ会社と同様にアメーバ経営と「時間当たり採算制度」を導入することで、得た結果の様です。

この様に述べると、アメーバ経営がまるで不採算事業や企業を立ち直らせる魔法の薬かの様に感じてしまいますが、もちろんその様なことはなく、本質を掴まなければ失敗してしまいます。アメーバ経営の根底にあるのは、経営のマニュアルではなく、精神性ではないでしょうか。本書においても「人の心をベースとして経営する」と述べられています。ダブルチェックシステムを始めた動機についても以下の記述があります。


間違いを犯したり、失敗した人を顕在化する為ではなく、人に間違いを起こさせてはならないという信念から生み出された仕組みであることが理解できます。これまで不祥事により大きなニュースになったエンロンやオリンパスといった会社の事例では、その後の調査や内部告発を読むと不正発生の余地が多くあったことが窺えます。どちらの事件でも経営者が容易に数字を操作できる会計制度にも問題はあるのでしょうが、一番の要因は経営者自身が倫理や哲学を忘れたことにあるのではないでしょうか。

 

「時間当たり採算制度」を導入し、本書に書かれている「一対一の対応」、「ガラス張りの経営」、「ダブルチェック」といった自身を律するためのシンプルな原則により、優れた技術を持つ多くの会社が永く存続することを願いますねー。


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