前回に引き続き、今週も関西学院大学経営戦略研究科のアカウンティング講座のレポートです。
4週にわたってタイヤメーカーの財務諸表(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書)を見ながらの講義だったわけですが、最終回にあたる今回は過去4期の推移と比較、そしてタイヤメーカー上位4社の比較を以下の指標を使って、
①どれだけ儲かっているのか
②投下した資金がどれくらい効率よく回っているか
③短期的に負債を返済できる資産がどれくらいあるか
を分析しました。
■売上高利益率(%)
・売上高総利益率
・売上高営業利益率
・売上高経常利益率
・売上高当期純利益率
■収益性(%)
・総資産経常利益率
・自己資本当期純利益率
■総資産経常利益率の分解(%、回)
・売上高経常利益率
・総資産回転率
■自己資本当期純利益率の分解(%、回、倍)
・売上高当期純利益率
・総資産回転率
・財務レバレッジ
■安全性(%)
・流動比率
・当座比率
・自己資本率
■資金効率(回)
・総資産回転率
・売上債権回転率
・棚卸資産回転率
・固定資産回転率
・有形固定資産回転率
■回転期間(滞留状況)(月)
・売上債権回転期間
・棚卸資産回転期間
・同上(対売上原価)
タイヤメーカー4社の比較もすこぶるおもしろかったのですが、極端な事例が興味深いですよね、と言うことで、高収益な企業として注目を集めた後、上場後4期で民事再生法の適用を申請した日本コーリン株式会社の財務諸表、主にキャッシュフロー計算書を見ながら分析も行いました。
注目は、売上高が2000年の約99億円から2001年の約149億円、更に翌年の2002年に204億円といった様に驚異的な成長を遂げています。
ただ、売上債権回転期間が2000年には4.04ヶ月だったものが、2001年には5.9ヶ月、翌年の2002年は5.37ヶ月になっており、売掛金の回収が遅れており売上における売掛金の比率も2001年には前年よりも15ポイント上がっており、売掛金が売上を上回るペースで増加しています。
講義後、更に調べてみると設備投資も以下の様に急増し、リスクが膨れ上がっていることがわかります。
[有形固定資産の取得による支出](単位 千円未満切捨)
・2000年:85,839
・2001年:318,074
・2002年:820,617
後からこうやって振り返ってみると、なぜこの様なリスキーな方向に舵をきったのか疑問に感じるとこですが、ここから更に競合他社の動向や日本コーリンの方針を当時の各社のIR資料から読み取っていかないとわからないんでしょうね。
今後コツコツと見ていって、いつかまたレポートしますね。
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